遺族年金の存在を知ろう 民間保険の払い過ぎを防げる

教師の定年、退職
先生
先生

生命保険の支払いが高くて…なんとか抑えたいんだけど。

遺族年金のことはご存知ですか⁉

自分に万が一のことがあった時、残された家族に経済的な心配をかけたくないので、民間の生命保険や死亡保険をかけていいる人は多いと思います。しかし、その保険料は、けっこう多額ですよね。

「公益社団法人生命保険文化センター/2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、生命保険加入者全体の平均年間保険料は、37.1万円月額にすると約3.1万円です。

僕は20代の結婚してすぐのころ、学校に来た生保のおばさんに、保険金5,000万円の生命保険を提案されたことがあります。(あやうく乗り換えそうになりました…)年金制度を知っておけば、高すぎる保険料に気づくことができるし、払いすぎていた保険料を違う形で利用することもできます。

今回は、亡くなった場合に支給される「遺族年金」について詳しくお伝えします。

年金は、3つのリスクをカバーしている

「65歳になったら受給できるのが年金」

このイメージが強いと思います。しかし、それは年金の1側面であって、すべてではありません。
滞納して受給資格を満たしていなければ、受け取ることはできませんし。(滞納はやめましょう。)

年金は、次の3つのリスクをカバーしています。

①長生きリスクに備える「老齢年金」
②障害のケースに備える「障害年金」
③死亡によって残された遺族を救う「遺族年金」

この3つのリスクを、国は2つの財源からカバーしています。それが国民年金厚生年金です。
教師の場合は、国民年金は国に、厚生年金は公立学校共済組合に納めていますよね。保険料を別の場所に納めているので、万が一の際の年金も違うところから支給されるイメージです。

遺族年金とは

遺族年金を理解しておけば、必要以上に民間保険に加入しなくても良くなります。

学校の先生をしている45歳の男性(妻42歳、子どもは3人で、16歳・13歳・10歳)の場合で考えてみましょう。

この場合、遺族基礎年金国民年金の部分)と、遺族厚生年金(厚生年金の部分)が関わってきます。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金に加入する第1号被保険者が関わってきます。
遺族基礎年金の受け取り資格があるのは、

18歳未満の子どもがいる配偶者

です。

遺族基礎年金は、「子どものための年金」と言い換えることができます。

・結婚して、夫と妻のみの世帯
・子どもがいても、18歳の誕生日を迎え、それ以上に大きくなっている

場合には支給されません
(;_;)

受け取れる金額は、
795,000円+子の加算額です。

子の加算額とは、
1人目の2人目は、それぞれ224,700円
3人目以降は、76,200円が追加となる。

このケース(子どもは3人で、16歳・13歳・10歳)では、

795,000円+(224,700円×2人)+76,200円=1,320,600円

が、年間支給されることになります。

数年が経過し、長男が19歳となって受給年齢を外れても、3人目だった末っ子の加算額が224,700円には上がりません。すえ置きです。

3人目の末っ子が18歳となり、その年度が終了するまで支給を受けることができます。

ただし、妻の年収が850万円を超えている場合は、
遺族基礎年金の支給がなくても生活できる経済力があると判断されるため、
支給を受けることができません。

また、亡くなった夫が厚生年金に20年以上加入していると、
遺族基礎年金終了後に中高齢寡婦加算(ちゅうこうれいかふかさん)の支給を受けることができます。
※中高齢寡婦加算は、厚生年金になるので混同しないようにご注意ください。

中高齢寡婦加算とは、

・夫が厚生年金に20年以上加入している
・遺族基礎年金の受給終了時に、妻が40歳〜65歳の範囲内なら受給できる。
・夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻。
・受給額は年間596,300円

先程の事例の場合だと、
・亡くなった夫は公務員で厚生年金に23年加入していた。
・3人目の子どもが18歳になった時、妻は50歳

ですので、中高齢寡婦加算が、妻の老齢基礎年金を受給するまで支給されます。

寡婦加算の対象は、40歳以上の妻のみです。若くして子どもを授かり、子どもが18歳になった時に妻が38歳だった場合、寡婦加算は受給できません。数年後40歳を超えたとしても受給できないのでご注意ください。

遺族厚生年金

厚生年金に加入している方(会社員や公務員)が亡くなった場合、遺族厚生年金が発生します。

受け取る順番は次の通り。

1.子のある配偶者
2.子(片親の場合)
3.子のない配偶者(※)
4.父母(※※)

(※)子のない30歳未満の妻は、受給できるのは5年間のみ
   子のない夫は、55歳以上でなければならないし、受給は60歳から(※※)父母の場合は、子どもに生計を維持してもらっている必要がある

次に、どのくらいの額が支給されるのが、計算式は、

厚生年金加入中の平均年収 × 勤続年数 × 0.005481

22歳から45歳まで学校の先生をしていて、仮に23年間の平均年収が550万円だった場合、

5,500,000円 × 23年 × 0.005481 = 年間693,346円

となりそうですが、

若くして亡くなった場合、勤続年数は300月(25年)として計算します。
仮に、30歳で他界し、厚生年金加入期間は8年だったとしても、勤続年数は25年で計算するので、先程のケースでは

5,500,000円 × 25年 × 0.005481 = 753,637円

となります。

自分が老齢厚生年金の支給を受けている場合

65歳になって(繰り上げ受給はしていないと想定)、67歳の夫が亡くなった(夫も老齢厚生年金を受給する権利を持っている)場合は、

自分の老齢厚生年金の方が多い → 遺族厚生年金は支給できない
相手の遺族厚生年金の方が多い → 差額分が支給できる

となります。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

まとめ

年金は3つのリスク(長生き・障害・死亡)に備えているので、
理解すれば無闇やたらに民間の保険に入る必要はなくなります。

仕組みを理解して、浮いた金額を貯蓄や資産運用に回していきたいですね。