教師を定年退職した際には、健康保険をどうするか3つの選択肢の中から選ばなければなりません。
私は健康保険について何も知らなくて、どれを選べばよいかわかりませんでした…
退職後に働かないのであれば、「扶養に入る」ことで保険料は0になります。
転職し、別の会社で働くのであれば、その会社の社会保険に加入します。
扶養に入れない程度の収入がある場合は、
「任意継続」か「国民健康保険」のどちらかを選択しなければなりません。
おすすめは、「任意継続」です。理由は、掛金(保険料)が安くなる傾向だから。
※共済組合の場合は掛金、民間の保険会社や国保の場合は保険料と言います。
今回は、任意継続の掛金の算出方法をお伝えします。
共済短期の任意継続とは
公立学校の先生なら、公立学校共済組合の組合員となって、健康保険を利用している人が多いと思います。
退職後に公立学校共済組合を抜けても、 任意継続組合員として、現職中とほぼ同じ給付を受けることができるのが、「任意継続」です。
任意継続の特徴は、
・最長2年加入できる
・1年目の終了時に翌年の保険料を検討して、 2年目は切り替えることができる。
・退職時にのみ加入できる。 退職後、期間をあけてとか、 脱退後に再加入はできない。
掛金の支払い方法
2通りの支払い方法があります。
前納
1年分を、一括で収める方法です。
前納は割引が適応されます。
払込の時期は、毎年3月の1回です。
口座振替
翌月分を、毎月15日に引き落とします。
初回は2ヶ月分、振込通知を利用して納付します。
掛金の算出方法
掛金算出の計算式
1️⃣ 標準報酬月額 × 2️⃣ 掛金率 = 任意継続掛金(ひと月分)
1️⃣ 標準報酬月額とは
組合員が各月に受けた報酬により算定した「報酬月額」を「標準報酬等級表」に当てはめて決定します。基本給と手当(地域手当、扶養手当、通勤手当、時間外勤務手当など)のすべてが含まれます。基本給や手当が増えれば、標準報酬月額も増加する仕組みです。
標準報酬等級表はこちら
(公立学校共済組合HPより)
ただし、次の①、②の少ない数字を利用して掛金を算出します。
①公立学校共済組合の全組合員の前年度9月30日における平均標準報酬月額
(令和5年度 410,000円)
②退職時の標準月額報酬
退職時の給料が高く、標準月額報酬も高くなっていても、410,000円で計算されます。
また、410,000円よりも給料が安い若い方は、ご自身の標準月額報酬を利用して計算します。
退職時の標準月額報酬が380,000円なら、380,000円を利用して計算します。
2️⃣ 掛金率とは
掛金率は、年度によって数字が異なります。
令和5年度は
40歳未満の組合員…1,000分の93.20(0.0932)
40歳以上65歳未満の組合員…1,000分の109.20(0.1092)
です。
それでは、1️⃣と2️⃣の数字を使って計算していきましょう。
定年退職を想定して掛け金を算出
<定年退職を想定した場合>
標準月額報酬が,440,000円の場合でも、
上限が410,000円になるので、
計算する場合は410,000円を利用します。
40歳未満の組合員…1,000分の93.20(0.0932)
40歳以上65歳未満の組合員…1,000分の109.20(0.1092)
を使って計算すると、
掛金算出の計算式
1️⃣ 標準報酬月額 × 2️⃣ 掛金率 = 任意継続掛金(ひと月分)
410,000円×0.1092=44,772円(ひと月分)
44,772円×12ヶ月=537,264円(年間)
一括で支払う場合は、少し割引があります。
<標準月額報酬が380,000円で、40歳未満の場合>
掛金算出の計算式
1️⃣ 標準報酬月額 × 2️⃣ 掛金率 = 任意継続掛金(ひと月分)
380,000円×0.0932=35,416円(ひと月分)
35,416円×12ヶ月=424,992円(年間)
このように、退職時の給与をもとに、
報酬月額を把握して、掛金率を利用すれば、
任意継続したときの保険料を算出することができます。
こちらの記事に、退職後の健康保険はどうしたら良いかを記載しています。
退職後、
1年目は任意継続のほうが掛金が安いことが多いと思います。
しかし、
退職1年目に、収入が大きく下がることが考えられるので、
2年目以降は国民健康保険に切り替えるほうが保険料を抑えることができます。
任意継続は最長2年間加入できますが、
2年目も掛金の額はほとんど変わりません。
任意継続を2年間継続すると、掛金が100万円程度かかってしまうことも。
退職後の2年間を見据えて、健康保険を選択していきましょう。