「転職したいと思っているんですけれど、日々の仕事が忙しくてそれどころじゃないんです…」
「そうですよね。仕事は次から次へと湧いて出てきますよね。」
「一体どうすれば、転職にかける時間を確保できますか?」
教師の仕事は多忙です。
・部活動、支援が必要な生徒のケース会議
・多くの研究会
・終わらない会議
自分の仕事ができるのは、18:30になってから。体力も気力も尽きた頃に頭を働かせて教材研究…という日々を送っていました。
遅くまで学校に残っている人がいると帰りにくい空気は、会社や学校に漂います。中学校や高校であれば、勤務時間外でも生徒が学校にいるので教師は帰れない。
日々の生活でいっぱいいっぱいの中、どうしたら転職に向けての時間を確保することができるのでしょうか。
私が実践した、「個人でできる転職に向けての働き方」をお伝えします。
教師の大きな仕事、「丸付け、採点」の時間術
❌(バツ)をつけない採点方法
”時短”と、”子どもたちのやる気”の両方を手に入れられる方法を紹介します。
これは、私が教師2年目の時、算数の苦手な女の子が「先生、✗をつけないで…」と今にも泣きそうに言ったことがきっかけでした。
思いついたのが、「間違っている問題に◯を付ける」採点方法。番号にマルをつければ、直しのスペースも確保できます。
子どもたちは、✗がつくことを嫌がります。大人でも同じですよね。管理職にお便りを見せた時、✗がついて戻ってきたら心削られます。子どもたちにも、✗をつけないという形で敬意を払うと、これが直しに向かうエネルギーとなります。
教師の仕事で、宿題やテストの採点は大きなウエイトをしめます。しかし、おろそかにはできません。採点をすることによって、子どもがどれだけ定着しているかがわかるためです。
採点と一緒に、直しの指導もあります。しかし、直しが多い子ほど、直しにも一生懸命取り組まずに、あの手この手を使って直しから逃亡しようとする子も多いです。
そこで、おすすめは「✗をつけない」採点の方法です。
丸付けは、できるだけやらない
効果的だったのは、「丸つけ直しをしてから宿題を提出する」やり方です。
中には、答えを丸写しして宿題をやったことにするケースもありますが、それは極端な例であって、全員がやるわけではありません。わからない子にとっては、答えの存在はありがたいものです。また、わからない問題に時間をかけるよりも、答えを見て、似た問題を解いたほうが学力定着にも繋がりますし、子どもたちにそういう勉強の仕方を教えておくと効率的に成果をあげることも可能になります。
直しをしない子は、直すことが嫌いというより「わからない」ことが原因です。ここで、答えを見ないで自力で直すように声掛けをすると、教師への信頼は失われ反抗的な態度につながることがあります。
「丸付けは教師の仕事」の1つですが、多くの時間を奪われてしまってはなかなかやりたいことができるようになりません。さらに、
丸付けをする
↓
直しをしない
↓
たまっていく
↓
放棄
といった子どもたちの行動が表れると、教師としては丸付けをすることでイライラが募ってしまいます。
子どもたちの直しを個別指導で補う方法は、丁寧ですが時間はかかります。早い段階から、自分で丸付け直しができる習慣をつけると、教師の時間は大幅に確保できます。
テストを実施したら、即子どもと一緒に丸付け、直しを
小学校の先生は、テストの丸付けをいつやりますか?
テストをする
↓
先生が別の時間に丸付け
↓
テスト直しに授業時間を使う
この流れだと、テストのたびに授業を2時間使わなければなりません。小学生のテストは、40分もかからないので、20分を目安に実施し、残りの時間で直しを兼ねて丸付けをしました。机の上は赤ペンだけにして、子どもたちのことを信頼して(不正はしないという意味です)解説もやってしまいます。
教師の手元には、丸付けと直しの済んだテストが届きます。採点があっているかどうかチェックします。間違ったところを中心に確認すればいいので、0から丸付けをするよりも時短が可能です。しかも、解説は済んでいますから、授業時間を確保することができます。学習の進度に追われることなく計画的に仕事を進められます。
効率的な休み時間の使い方
10分間の休み時間は、子どもの観察に徹する
休み時間遊ばないもの大事な技術だと思います。
子どもの観察に徹することと、心身のリフレッシュに努めることです。職員室に戻り、コーヒーを飲んで一息つくこともいいですよね。「休み時間に目を離せない」ということも聞きますが、先生がいないと子どもたちのトラブルが絶えないのでは、学級経営を見直す必要があるかもしれません。
長い休み時間は、子どもと遊ぶ日を決める
昼休みは、子どもの様子を観察しながら丸付けをしたり、授業の準備をしたりする時間として最適です。子どもたちとはメリハリを付けて遊び、自分のことをやる時間も必要です。
毎日昼休み子どもと遊ぶのもしんどい時があります。勤務時間中でも、休憩は必要です。ゆっくりコーヒーを飲む時間があるから午後もがんばれます。
子どもたち同士の中で、喜怒哀楽がありながら子どもは育っていきます。トラブルはつきものです。予防のために教師が介入しすぎると子どものコミュニケーション力は向上しないでしょう。子どもたちが自分らしく過ごせる学級の雰囲気を作ったら、あとは見守る。見守りながら、自分のやるべきことを進めると、放課後の時間が充実します。
授業中の効率化
わからない子に安易に手を差し伸べない
子どもたちがわからないときは、ヒントを出したり安易に教えたりしないことです。理由は、教えるということは学習定着率が高いアウトプットであって、それは教師ではなく子どもが経験するべきだと考えるからです。
授業中には、子どもたちが考える時間があります。例えば、算数の問題に取り組んだ時。わからない子ども、困った子どもを見ていると、つい教えたくなってしまう。そこは、ぐっと我慢です。
子どもたちが問題を解いている時間に、少しでも丸付けを進める。友達のノートを見てヒントを得たり、子ども同士が教え合う機会を取り入れたりすることで、
・先生が教える時間が減る
・教えた子どもたちの学習定着率が上がる
・教えてもらった子は、自分がしてもらったように教える行動に繋げていく
「教えることの良さ」を子どもたちに伝え、それが浸透すると、教師が教えなくても学びが深まっていきます。その分、先生の時間は増えます。丸付けの時間や、次の授業の構成を考える時間につながるのです。
「先生=教える人」ではなくて、先生は子どもたちが教え合う場やチャンスを作る人ではないでしょうか。
教師の説明は理解できなくても、友達の説明ならわかる子もいます。こうすると、教師の個別指導の負担は一気に減ります。
授業が終わったら、即評価する
授業の評価は、可能な限り早くする。学期末に追い込まれることを回避できる手段です。評価を先送りすると、結局テストの点数だけで判断したり、所見が書けなかったり、評価としても不十分になってしまいます。
10分間の休み時間を使って評価することは、かなりの時短に繋がります。授業の振り返りを書いたノートを集めて、さっと目を通す。この振り返りは良い内容だ、とか、最初の問題ではつまずいたけれど応用問題は解くことができているなどは高評価の対象です。高評価のノートは職員室に持って行って、WordやExcelなどにさっと記入する。
これをやっておくだけで、学期末の成績付けがぐんと楽になります。
さらに良いのは、成績を付けにくい(所見がかけない)子をピックアップできることです。成績を記入するWordやExcelにふれることで、「次の授業では◯◯さんの学習の様子をチェックしよう」とねらいを定めることができます。成績の時期には所見が完成している。これは普段の授業と、その後の10分間が鍵を握っています。
放課後の職員室での過ごし方
「早く帰る人」のキャラを作る
転職や退職に向けて時間を作るためには、残業を減らすことです。先生の横並び文化から抜け出すことで時間が確保できます。人と違うことをしようとするなら、人と違う時間の使い方をする必要があります。
「あの先生は、早く帰る人なんだ」と印象づけることも大事です。そうすると、早めに仕事を依頼されるので、迷惑をかけずに仕事をすることができます。
放課後の職員室は、予想外のことが起きます。同僚との話に夢中になっていると、いつも何か愚痴会が始まり、あっという間に時間はすぎます。特に、年配の方の話に巻き込まれると、フェードアウトが難しい。
若い先生であっても、早く帰る習慣をつけてほしいです。人それぞれ働き方があります。遅くまで残って仕事を片付けて帰りたい人もいます。無理に合わせる必要はありません。異業種へのステップを考えているなら、同じ環境で過ごす人と違うことをしないと新たな一歩は踏み出せないです。